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強みを認識することは、一つの好機となる - Marion LAGADIC(OECD)

強みを認識することは好機となる

自己紹介、経歴、交通分野およびジェンダー問題への関心

都市政策とフェミニスト地理学の専門教育(パリ政治学院、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、オックスフォード大学)を受け、ジェンダー化された権力関係やより広範な不平等の構造が、いかにモビリティの実践(人々の移動実態)を形成し、交通システムや都市環境における経験の差異を構造化するかを研究しています。

交通コンサルティングとOECDでの11年以上のキャリアを通じて、私は各国の政府や民間企業に対し、持続可能な交通政策の設計と実施について助言を行ってきました。その際、常に平等と公正を仕事の中心に据えてきました。オックスフォード大学での博士研究では、日本における構造的なジェンダー不平等と、東京の女性たちの自転車利用との関係を分析しています。これにより、モビリティシステムがどのように不平等を再生産し、また人々がその不平等をどう経験するかを理解するための、経験的データに裏付けられた枠組みを提供しています。

ジェンダーへの関心は、社会的・経済的な構造が都市の日常生活をいかに形成するかという、より広範な問題意識から生まれました。モビリティを研究する中で、交通政策は技術的な問題やインフラ設計に限定されるべきではないと、ますます強く認識するようになりました。むしろモビリティとは、家庭内で、そしてまた、保育政策や労働市場の慣行を通じてより広く社会で、仕事とケアがどのように組み立てられているかと深く結びついています。ジェンダーを分析のレンズとして用いることで、なぜ通勤のような日々の移動は計画において認識され支援される一方で、子どもの送迎や家事の管理といった移動は、日常生活に不可欠であるにもかかわらず、あまり可視化されないままでいるのかを理解できるようになりました。また、ジェンダーに焦点を当てることで、社会が有償労働と家庭生活をどのように組織し、その結果として女性が能力を発揮し活躍することがいかに制限され続けているかを、モビリティという観点から考察することも可能になりました。

現在のプロジェクト/プロジェクトにおける私の役割

私はOECDで4年間勤務しており、国際交通フォーラム(ジェンダー・タスクフォースの一員としてジェンダー主流化戦略の策定に従事)と、OECD起業・中小企業・地域・都市センターのCITY部門を兼務しています。現在は、「都市における包摂的成長」ユニットに、ジェンダーとモビリティに関する専門知識を提供しています。学術的な活動と職業上のキャリアを結びつけながら、都市の未来が低炭素であるだけでなく、包摂的(インクルーシブ)なものになるよう、常に不平等の構造的理解に基づいた政策提言を行うことを目指しています。オックスフォード大学での研究を基盤に、日本の研究者や政策立案者と継続的に意見交換を行い、自身の研究成果が政策形成にどう役立つかを探求しています。

プロジェクトの成果と評価

私の研究は、東京においてジェンダーと日常のモビリティがどのように交差しているか、特に女性の自転車利用に焦点を当てて考察するものです。多くの都市で自転車利用が主にインフラの設計・整備との関連で語られがちなのに対し、私の研究では、自転車利用がいかに日常生活の営みの中に組み込まれているかを探求します。特に、日本の文脈では依然として女性に偏りがちな、有償労働、育児、そして家事責任の調整という側面から分析します。首都圏の女性たちへの質的調査(インタビュー、トラベルダイアリー、ワークショップ)に加え、政策立案者や地域の専門家へのインタビューに基づき、介護・育児責任が不均等に分配された状況下で、自転車利用がいかに時間、空間、そしてケアを管理するための実践的な戦略となっているかを分析しています。

本研究は、フェミニスト経済地理学の視点を用い、自転車利用をより広範な労働市場の構造、福祉制度、そして仕事と家庭生活をめぐる文化的期待の中に位置づけます。これにより、東京の女性たちが自転車に頼ることは、単なる好みやインフラの質の問題ではなく、時間的制約、女性、特に母親に課せられる強い期待、そしてケアや家事維持に対する支援が限られている中で、自身の主体性(エージェンシー)を高めるための広範な戦略の一部であることを明らかにします。また、本研究は、自転車政策がどのように策定・実施され、異なる形態のモビリティ(特に通勤とケア関連の移動)がどのように認識され、支援されているかについても考察します。

この研究は、日々の経験と政策分析を対話させることにより、日本における自転車利用の、より文脈に即した理解に貢献することを目指しています。育児のあり方や労働市場の慣行によって形成される多様なモビリティのニーズが、都市空間や交通計画とどのように相互作用するかを考慮することの重要性を浮き彫りにします。そうすることで、本研究は東京およびそれ以外の地域で、包摂的で実情に即した自転車政策を立案する上で役立つ知見を提供します。

日本へのメッセージ

日本は、女性やケアを担う人々によって主導され、維持されてきた、ユニークで豊かで、際立った自転車文化を発展させてきました。東京や他の多くの都市において、自転車は単なる交通手段ではありません。それは、育児、家庭生活、近隣とのつながり、そして仕事へのアクセスを支える日常的な戦略の中核にあります。年齢を問わず誰もが参加でき、広く利用可能で、地域の日々の営みと日本特有の都市構造に深く根付いています。多くの点で、このような形の自転車利用は、世界の他のどこにも直接の同等物はありません。

この強みを認識することは、一つの好機です。日本の自転車利用は、親、特に母親が時間的なプレッシャーの中で有償労働と育児を両立させる上で、すでに極めて重要な役割を果たしています。政策が、自転車がいかにケアを支えているかを認識することで、日常生活の現実をより良く反映できるようになります。通勤のような連続した長距離の移動と、近隣での短い、複数の目的地に立ち寄る移動の両方をインフラと規制がサポートするようにすれば、すでに存在する多様な自転車利用の実践を維持することにつながるでしょう。したがって、日本には、ケアと生産性の両方を尊重し、あらゆるタイプのサイクリストの日常生活をサポートする、世界にも類を見ない包摂的なサイクリング文化を育むポテンシャルがあるのです。

※ 各インタビューは所属組織のものではなく個人の見解です。また、所属・タイトル等はインタビュー当時のものです(2026年3月更新)

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